最近はスキーブーツのカタログなどを見ると98mmや100mmといったラスト幅の表記を良く見るようになりました。これからブーツを選ぼうとするスキーヤーからするととても参考になる情報ですね。
ちなみに「ラスト幅」は文字通りシェルの内側の幅を示した数値で、計測方法などによってメーカーによって多少の差はありますが、多くの場合は26cmのシェルの内側の幅が基準になっているようです。
ちなみに、手元にあったノルディカ・ドーベルマンワールドカップ(26.5cm)を実際に測ってみました。
シェルの外側で105mm、シェルの厚みがバックルの取り付け部分で約7~8mm、ということは105mm-15mm=シェルの内側は約90mm・・・、インナーの厚みが5mm程度ありますから、バックルを締めた状態ではこのブーツの中には80mm程度の幅しかスペースがない事になります。恐ろしいくらいに狭いですね・・・。
では、実際の足の幅ってどれ位あるのでしょうか?JISの規格表(http://www.fha.gr.jp/ashi/size_m.html)を見てみました。
日本の靴メーカーの大抵のスタンダードはEEです。さらに多くの靴メーカーは幅広として4E程度のシューズも発売しています。ということで26cmの場合「EE」では足幅は104mm、「4E」では108mmとなります。
レーシングモデルでは98mmというラスト幅が圧倒的に多いので、仮に26cmで足幅が98mmなら・・・なんと「C」!なのです
正直、Cの靴が普通に売られているのは見たことがありません・・・
スキーの滑走中、足(特に前足部)はバランスを取る為に細かく動かなければいけませんし、その為にスキーブーツにはそのスペースを確保する必要があります。もし、あまりにも細いブーツを履いてしまったら、バランスすら取れないどころか圧迫によって痛みやシビレ等のトラブルが起こってしまいます。
憧れのトップレーサーやデモンストレーターがカッコ良いブーツを履いていると、ついつい同じようなブーツを履きたくなってしまいますが、少しだけ物欲を堪えて、冷静に自分の足を測ってみて欲しいと思います。
もちろん、足の長さと幅だけでブーツを選ぶのはナンセンスですが、正確な足幅を知る事で、カタログに描かれたラスト幅の情報がより有効に使えるのではないかと思いますよ。
ちなみに下の写真は昨年LangeのFacebookにアップされていた写真です。
選手用ブーツって実は写真のようにサービスマンが選手の個々の足に合わせて削りまくって合わせていくんです。